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体外受精など高度生殖医療について

生殖補助医療(ART)

当院は、体外受精、顕微授精、受精卵(胚)凍結保存などの高度生殖医療の設備、技術、人員を擁しております。最新式タイムラプスインキュベーター、レーザーアシステッドハッチング、ピエゾ式顕微授精装置を駆使しております。安全管理として、停電時のための無停電装置、患者様および検体の取り違え防止システムを導入しています。卵巣刺激法についても、完全自然周期法、クロミフェン、レトロゾールによる低卵巣刺激法、レトロゾールHMGによる中卵巣刺激法、ロング法、アンタゴニスト法、ショート法などを、患者様ごとに個別化(テーラーメイド)し、過去の治療歴も参考にさせていただき、提案させていただきます。ART治療を初めてご希望のご夫婦はあらかじめ簡潔に説明させていただき前もって資料をお渡しし、後日「ART説明」外来をご予約していただき、個別に説明、質疑応答をさせていただいております。

ART治療の適応

下記いずれかの診断結果が出た場合、ART治療をご提案します。

1.卵管因子
両側卵管切除術の場合や、子宮卵管造影検査/腹腔鏡検査により両側卵管の閉塞や癒着による機能障害が確認されその回復が不可能と判断した場合。
2.子宮内膜症
腹腔鏡下手術の適応がないと判断される場合。(チョコレート嚢胞、腺筋症)
3.男性因子
精子濃度が低い、精子運動性が不良など。
4.免疫因子
抗精子抗体が陽性で、人工授精では妊娠できない場合。
5.原因不明不妊(機能性不妊)
一般的な不妊治療であるタイミング法、排卵誘発法、人工授精などをカップルの背景(年齢、不妊リスク因子など)を考慮し、充分に行ったが妊娠できなかった場合、もしくは妊娠成立の見込みがないと予想される場合。

卵巣刺激

ロング法、ショート法、アンタゴニスト法、クロミフェン法、レトロゾール法、自然周期法、デュファストン法などを患者様の情報から選択して提示しております。前周期に経口避妊薬(ピル)を使うこともあります。患者様によって、もしかすると周期によっても最適な刺激法がある筈(テーラーメイド)であると考えて選択してまいります。また今後の研究報告や実績などにより、この選択法を修正改良してまいります。

ロング法

採卵を行う前周期の基礎体温高温相の中間当たり(予定月経の約1週間前)よりGnRHアゴニスト点鼻薬を開始します(1日4回、左右いずれかの鼻腔に1噴霧、約6時間ごとに)。GnRHアゴニスト点鼻薬は採卵決定時の最終刺激前まで継続します。前の周期に経口避妊薬(ピル)を使うこともあります。月経開始後3~6日目に来院していただき、ホルモン採血・超音波検査を行い、卵巣刺激の注射(hMG製剤、FSH製剤)の開始日を決めます。採卵決定まで連日注射し(卵巣の反応性によっても異なりますが、通常7~12日間)、数日間の注射の後にホルモン採血・超音波検査により卵巣の状態を観察します。卵胞成熟のため、採卵の36時間前に最終刺激としてhCG注射を行います。

ショート法

月経開始直前、もしくは月経開始1日目に来院していただき、ホルモン採血・超音波検査を行います。月経が開始してすぐにGnRHアゴニスト点鼻薬を開始します(1日3回、左右両方の鼻腔に1噴霧、約8時間ごとに)。GnRHアゴニスト点鼻薬は採卵決定時の最終刺激前まで継続します。前の周期に経口避妊薬(ピル)を使うこともあります。GnRHアゴニスト点鼻薬開始の翌日もしくは翌々日から連日の卵巣刺激の注射(hMG製剤、FSH製剤)が開始します。数日間の注射の後にホルモン採血・超音波検査により卵巣の状態を観察します。卵胞成熟のため、採卵の36時間前に最終刺激としてhCG注射を行います。

アンタゴニスト法

月経開始2~3日目までに来院いただき、ホルモン採血。超音波検査を行い、卵巣刺激の連日注射(hMG製剤、FSH製剤)を開始します(卵巣の反応性によっても異なりますが、通常7~12日間)。前の周期に経口避妊薬(ピル)を使うこともあります。数日間の注射の後、ホルモン採血・超音波検査により卵巣の状態を観察し、最大の卵胞の大きさが直径14mmに到達する時点から血中ホルモン値を参考にして、排卵抑制のためのGnRHアンタゴニスト製剤を卵巣刺激の注射と併用します。hCG製剤の投与、もしくはhCG製剤とGnRHアゴニスト点鼻薬の併用を行い最終刺激とします。

デュファストンFSH/HMG法

月経開始2~3日目までに来院いただき、ホルモン採血・超音波検査を行い、卵巣刺激の連日注射(hMG製剤、FSH製剤、卵巣の反応性によっても異なりますが通常7~11日間)および黄体ホルモン製剤であるデュファストンの内服を開始します(1日2回、朝夕食後各2錠、合計4錠)。前の周期に経口避妊薬(ピル)を使うこともあります。数日間の注射の後、ホルモン採血・超音波検査により卵巣の状態を観察します。最終刺激としてhCG製剤の投与、もしくはhCG製剤とGnRHアゴニスト点鼻薬の併用を行います。デュファストンの内服は最終刺激まで継続します。

クロミフェン法

月経開始3日目までに来院いただき、ホルモン採血・超音波検査を行います。月経開始3日目からクロミフェン内服(1日1錠夕食後)を開始します。クロミフェンの内服は採卵3日前まで継続します。生理7~8日日以降は卵胞発育の程度によりhMG製剤、FSH製剤を隔日あるいは連日注射します。最終刺激としてGnRHアゴニスト点鼻薬を採卵の36時間前と35時間前に行います(左右両方の鼻腔に1回ずつ噴霧)。

レトロゾール法

月経開始2日目までに来院いただき、ホルモン採血・超音波検査を行います。月経開始2日目からレトロゾール内服(1日1錠食後、場合により1日2錠)を開始します。レトロゾールの内服期間は3日間または5日間となります。

  1. 内服終了後から卵胞発育の程度によりhMG製剤、FSH製剤を隔日あるいは連日注射し、場合により卵胞発育の途中からGnRHアンタゴニスト製剤を使用する方法
  2. 内服中(あるいは内服開始当日)からhMG製剤、FSH製剤を連日注射し、場合により卵胞発育の途中からGnRHアンタゴニスト製剤を使用する方法

があります。最終刺激としてGnRHアゴニスト点鼻薬を採卵の36時間前と35時間前に行います(左右両方の鼻腔に1回ずつ噴霧)。

自然周期法

ほとんど卵巣に対する刺激をせず、月経開始8日目くらいからホルモン採血・超音波検査により卵胞発育観察を注意深く行っていきます。最終刺激としてGnRHアゴニスト点鼻薬を採卵の36時間前と35時間前に行います(左右両方の鼻腔に1回ずつ噴霧)。この方法は卵巣予備能が極端に低下した方に行っています。キャンセルや採卵時排卵済みとなる可能性が高いことが難点でありますが、卵巣に対する負荷が小さいため、不成功であった場合、次周期以降も引き続き行うことが可能な場合が多いです。

採卵(超音波ガイド下卵胞穿刺術)

超音波検査装置(エコー)でモニターしながら腟内から採卵用の針を進めることにより、卵胞を穿刺し、卵胞内溶液を吸引、卵子を回収することができます。当院では基本的に局所麻酔下にて採卵を行いますが、希望により全身麻酔(プロポフォール点滴)を行っております。採卵後約1~2時間の安静後、診察と血圧測定を行いご帰宅となります。

受精・胚培養

【受精】

1.体外受精(媒精)
洗浄濃縮し、一定濃度に調整した精子をシャーレの中で卵子と混和、受精させます。採卵当日のご主人の精液所見により、体外受精での受精が困難であると予想された場合、顕微授精を推奨することもあります。翌日に、受精したかどうかを確認します。
2.顕微授精
採卵した卵子の周りについている細胞(卵丘細胞)を除去し、卵子が成熟しているかどうかを確認します。その後、成熟卵子を顕微鏡下で保持し、前処理した精子を細いガラス管で注入します。翌日に、受精したかどうかを確認します。体外受精もしくは顕微授精で受精させた受精卵をインキュベーター(培養器)で受精後最大6日間培養します。

【受精後】

【前核期胚】

培養1日目(採卵翌日)
受精確認を行います。前核(PN)が2個(雌雄前核)観察されると、正常な受精(2PN)をしていると判断します。前核は、時間の経過と共に消失します。観察時間、受精卵の発生速度によっては前核が観察できないことがあります。同じく、前核が確認できなかった場合には、受精がうまく行われていないことがあります(PN未確認)。前核が1個(1PN)、もしくは3個以上(3PN以上)観察された場合には異常受精と判断し、当院では胚移植や凍結保存の対象とはなりません。

受精の状況はメ-ルで報告致します。

  • 正常な受精
    (2PN)

  • PN未確認
    (0PN)

  • 異常受精
    (1PN)

  • 異常受精
    (3PN)

【初期胚】

発生が順調であれば、胚移植または凍結保存を行うことがあります。

初期胚での凍結保存を行うかどうかは、培養を継続している胚の数、発生状況、過去の採卵での培養結果、治療歴・診断内容から総合的に判断し、決定致します。

初期胚においては、割球の数、割球の大きさの均一性、フラグメンテーション(細胞が分割する際に生じる細胞の断片化)の割合等を観察します。発生のスピードが順調で、割球の大きさが均一であり、かつフラグメンテーションの割合が少ない胚を良好胚と判断しています。

培養2日目 発生が順調であれば受精後42~48時間で4分割胚に到達します。

4分割胚

培養3日目 発生が順調であれば受精後66~70時間で8分割胚に到達します。

8分割胚

【桑実胚】

培養4日目 割球数が増え、発生が進んだ受精卵は、割球同士が接着(コンパクション)し、桑の実のような形態となります。当院では原則、4日目での観察は行っておりません。

桑実胚

【胚盤胞】

培養5~6日目 発生が順調であれば、胚盤胞に至ります。胚盤胞は6段階で評価します。

  • EBl:Early Blast・・・初期胚盤胞(胞胚腔の容積が胚の半分以下)。
  • Blast…胚盤胞(胞胚腔の容積が胚の半分以上)。
  • 3…完全胚盤胞(胞胚腔が全体に広がっている)。
  • 4…拡張胚盤胞(胞胚腔が広がり、透明帯が薄くなっている)。
  • 5…孵化中胚盤胞(胚が透明帯から出ている)。
  • 6…孵化後胚盤胞(胚が完全に透明帯から出ている)。

それに加え、将来胎児になる内細胞塊(ICM)と胎盤になる栄養外胚葉(TE)の2つの細胞をA~Dの4段階で評価します。

妊娠が期待できる胚を移植または凍結保存します。

胚盤胞に到達しなかった場合や不良胚盤胞の場合は、凍結保存はせず6日目で培養を終了致します。

  • EBI(初期胚盤胞)

  • Blast(胚盤胞)

  • 3(完全胚盤胞)

  • 4(拡張胚盤胞)

  • 5(孵化中胚盤胞)

  • 6(孵化後胚盤胞)

  • 不良胚盤胞

胚の凍結保存・融解について

胚移植

柔らかいチューブ(カテーテル)に培養液と受精卵を入れ、超音波ガイド下に子宮内腔に優しく注入します。当院ではほとんどの胚移植を経腟超音波ガイド下に行っています。

1.新鮮胚移植
採卵周期と同周期に行う移植方法です。当院では基本的に初期胚(受精2~3日目胚)を移植します。原則的にレトロゾール法、自然周期での採卵時に行います。採卵当日からは黄体補充、移植後には卵胞ホルモン剤の使用を開始していただきます。 黄体ホルモン剤は妊娠8週0日まで継続していただきます(胚の発生状況によっては、移植がキャンセルとなることもあります)。
2.凍結融解胚移植
採卵周期とは別周期に、凍結した良好胚を移植当日に融解し移植します。当院では自然周期移植、レトロゾール周期移植、ホルモン補充周期移植(HRT移植)があります。患者様の年齢、生理周期、前採卵周期の内容等を考慮して、適した移植方法をお勧めすることがあります。凍結胚の融解移植には毎回ご夫婦の同意が必要となります。

【自然周期移植】

自然な卵胞発育と排卵に合わせて移植を計画する方法です。1~3回の超音波検査による卵胞チェックと必要に応じて尿中LH検査を行い、移植日を決定していきます。移植を希望される周期の月経開始10~12日目に来院していただき、超音波検査による卵胞チェックを行います。卵胞発育が不十分な場合には日にちをおいて再度、超音波検査のために来院していただきます。卵胞が16mmに達したところで尿中LH検査、GnRHアゴニスト点鼻薬もしくはhCG注射を行い、排卵を促します。GnRHアゴニスト点鼻薬、もしくはhCG注射の3~4日後に排卵確認(超音波検査またはホルモン採血)のため来院していただきます。排卵確認後、移植日を決定します。また、黄体ホルモン剤(デュファストン)の内服を開始していただきます(1日2回、朝夕食後10日間)。卵胞が発育しなかった、排卵しなかったなどの場合には、移植がキャンセルとなります。

【レトロゾール周期移植】

自然周期移植にレトロゾール内服による卵巣刺激を併せた移植方法です。移植希望周期の月経開始3日目までに来院していただきます。来院後、尿中hCG検査をする場合があります。レトロゾールの内服は、生理2~3日目から内服を開始していただきます(1日1錠、5日間)。生理10日目頃に来院していただき、超音波検査による卵胞チェックを行います。卵胞発育が不十分な場合には日にちをおいて再度、超音波検査のために来院していただきます。卵胞が16mmに達したところで尿中LH検査、GnRHアゴニスト点鼻薬もしくはhCG注射を行い、排卵を促します。GnRHアゴニスト点鼻薬、もしくはhCG注射の3~4日後に排卵確認(超音波検査またはホルモン採血)のため来院していただきます。排卵確認後、移植日を決定します。また、黄体ホルモン剤(デュファストン)の内服を開始していただきます(1日2回朝夕食後10日間)。卵胞が発育しなかった、排卵しなかったなどの場合には、移植がキャンセルとなります。

【ホルモン調節周期移植】

卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤を使用して、子宮内膜を厚くし、移植に適した体内環境をつくりだします。移植を希望される周期の月経開始1~2日目に卵胞ホルモン剤(エストラーナテープ、ジュリナなど)を開始します。卵胞ホルモン剤開始11~13日目に来院していただき、ホルモン採血および超音波検査により子宮内膜の厚さを計測します。子宮内膜の厚さが不十分な場合や、ホルモン採血の結果により、卵胞ホルモン剤を継続・増量し、再度診察と採血のために来院していただきます。場合によっては移植がキャンセルとなることがあります。移植日程に合わせて黄体ホルモン剤(ルティナス腟剤、ルトラールなど)を開始します。移植胚のステージに合わせて黄体ホルモン剤を数日間使用した後、移植となります。卵胞ホルモン剤と黄体ホルモン剤は妊娠成立されましたら、妊娠の10週0日まで継続します。

妊娠判定

採血により血中hCGを測定し、妊娠判定を行います。新鮮胚移植の場合は採卵から約2週間後、凍結融解胚移植の場合は移植日から9~12日後に来院していただきます。

凍結卵子・胚・精子の保管延長・廃棄について

  • 保管期限の約2か月前にメールでお知らせします。ホームページ上にてメールアドレスの登録をお願い致します。特定のメールアドレスからのメールブロック設定の解除は、「よくあるご質問」の「Q保管している凍結胚の保管期限延長の手続きはどのように行ったらよいですか。」をご参照ください(メール受信可能な環境にない場合はご相談ください)。メールアドレスの変更があった場合は、ご自身で変更のお手続きをお願い致します。
  • 保管期限の更新は期限が切れる前にお手続きをお願い致します。
  • 当院の規定により、保管期限を2か月過ぎても延長のご意志が確認できない場合には、保管卵子・胚・精子はすべて廃棄させていただきます。

延長料金

保管延長料金は、卵子・胚が1年間で¥20,000(税別)、精子が1年間で¥10,000(税別)です。
料金は予告なく変更する場合があります。ご了承ください。

保管期限の延長を希望される場合

・現金書留にて延長料金をお支払いいただく場合
該当する同意書(凍結卵子・胚・精子延長)をダウンロードし、必要事項(記入日、住所、電話番号、患者様ご本人と配偶者様のご署名)のご記入と捺印をお願い致します。凍結胚を延長される場合は、同意書に必ずご夫婦のご署名と捺印をお願い致します。
記入した同意書と現金をご同封の上、当院宛てに現金書留で郵送をお願い致します。延長の手続きが完了しましたら、後日領収書と報告書(「胚・卵子/凍結精子 凍結保存期間継続報告書」)を郵送致します(当院からお送りする際、封筒差出人名にクリニック名の記載を希望されない場合はお申し出ください)。延長のお手続きをしたにもかかわらず、報告書が届かない場合にはお手数ですが、電話にて直接ご連絡をお願い致します。

・ご来院されて直接延長料金をお支払いいただく場合(治療再開に向けてのご相談等がある方など)
該当する同意書(凍結卵子・胚・精子延長)をダウンロードし、必要事項(記入日、住所、電話番号、患者様ご本人と配偶者様のご署名)のご記入と捺印をお願い致します。凍結胚を延長される場合は、同意書に必ずご夫婦のご署名と捺印をお願い致します。
ご予約は「胚の説明」の枠でお取りください。ご来院当日は、忘れずに記入した同意書をご持参ください。延長の手続きが終了しましたら「胚・卵子/凍結精子 凍結保存期間継続報告書」をお渡しさせていただきます。

廃棄を希望される場合

「凍結卵子・凍結胚・凍結精子 廃棄依頼および同意書」をダウンロードし、必要事項(記入日、住所、電話番号、患者様ご本人と配偶者様のご署名)のご記入と捺印をお願い致します。該当項目を〇で囲み、当院まで必ず郵送してください(該当項目に〇がない場合は、確認のため連絡をさせていただきます。なお、一定期間連絡が取れない場合は、凍結保存中のすべての卵子・胚・精子を廃棄させていただきます。ご了承ください)。凍結胚を廃棄される場合は、同意書に必ずご夫婦のご署名と捺印をお願い致します。

不妊治療について